ハイボルト(ハイボルテージ)施術とは? 効果やメリットを解説
皆さんはハイボルト(ハイボルテージ)という施術をご存知でしょうか?
辛いギックリ腰や寝違え、足首の捻挫などの痛みを緩和する施術で、即効性があるのが特徴です。日々の肩こりや腰痛を緩和するモードや筋トレ効果のあるEMSも搭載。今やメジャーで大活躍の大谷翔平さんや前田健太さんなどのトップアスリートのケアにも使われている治療法です。
今回はこのハイボルト施術について、阿佐ヶ谷すまさん整骨院・鍼灸院の今井厚院長に解説いただきました。
記事協力(敬称略) 阿佐ヶ谷すまさん整骨院・鍼灸院 院長 今井厚 【所有資格】 鍼灸師
ハイボルト(ハイボルテージ)施術は? -どのような治療なのか詳しく解説!-
ハイボルト(高電圧電気刺激療法)は、単相性のツインピークパルス波形を用いることで、150Vを超える電圧での治療を可能にした電気療法です。このツインピークパルスとは、極めて短い時間に連続した出力を行うことで、刺激閾値以下の出力でも神経に刺激を与えることが可能な波形です。
一般的な低周波治療器と比べて、高い電圧を用いるため、深部への刺激に適しています。さらに、100μs以下の短いパルス幅を用いることで、一般的な低周波治療器よりも皮膚抵抗が低く抑えられているのが特徴です。ピリピリ感が少ないので、電気刺激が苦手な方も治療が可能で、痛みの緩和や可動域の改善などに多く用いられています。即効性があることも特徴の一つで、アスリートのケアにも使用されています。
このように神経の興奮を抑えて、痛みの緩和や可動域の改善に即効性があるのが特徴です。しかし、痛いところにただ当てればいいと言うものではありません。大切なのはハイボルトを一人ひとりの症状に合わせて使いこなせる技術が必要なことです。
ハイボルト(ハイボルテージ)施術はどんな症状に効くの?
効果が期待できる症状
- 寝違え •ギックリ腰 •捻挫 •五十肩 •顎関節症 •偏頭痛 •肋間神経痛
- 頚椎および腰椎椎間板ヘルニア •脊柱管狭窄症 •脊椎分離症 •バネ指
- オスグット病(成長痛) •むち打ち 他多数
このような方におすすめ
・ギックリ腰や寝違えなどの痛みをすぐに取りたい
・スポーツなどによるケガを1日でも早く治したい
・頻繁に通院できないので短期間で治したい
・治療を受けているがなかなか治らない
・痛みの原因を根本から治したい など
ハイボルト(ハイボルテージ)施術のしくみ
痛みには以下のような悪循環があります。
痛み→交感神経の興奮→毛細血管の収縮→血流低下→発痛物質の産生→痛み増強
ハイボルトは高電圧刺激により、交感神経の興奮を抑制するのが得意であり、自律神経のバランスが整うことによって、血行が促進されます。さらに血行促進により、老廃物や痛みの物質の滞留を防ぎ、筋肉に必要な酸素や栄養素が運ばれて痛みを緩和します。
このような良いサイクルを作り出すことにより、回復速度を大幅に早めてくれる治療法なのです。
ハイボルト(ハイボルテージ)を使用した検査とは?
ハイボルトの電流によって部位の反応を検査することにより、痛めた箇所を突き止めることができます。また、レントゲンやMRIに写らなかった筋肉や神経の悪い部分を特定することも可能です。
身体を冷蔵庫に例えてみましょう。
冷蔵庫(身体)を動かしたい場合、冷蔵庫本体(患部)が壊れていても、ブレーカー(脳)が故障していても、間にあるコード(神経)が切れていても、冷蔵庫はうまく作動しませんね? つまり身体が動くようにするためには、痛めた箇所突き止める必要があるのです。
ハイボルト検査では、上肢と下肢に分けて検査を行います。もう少し詳しくみていきましょう。
■上肢基本セット
・頚椎:4箇所あるポイントにハイボルトを当てて、「一番重たく深く、鍼を刺したように感じるところ」を見つけ出す。
・胸椎:5箇所あるポイントにハイボルトを当てて、「一番重たく深く、鍼を刺したように感じるところ」を見つけ出す。
・その他、関連する筋肉にハイボルトを当てて、検査を行う。
■下肢基本セット
・腰椎:5箇所あるポイントにハイボルトを当てて、「一番重たく深く、鍼を刺したように感じるところ」を見つけ出す。
・中臀筋:3箇所あるポイントにハイボルトを当てて、「一番重たく深く、鍼を刺したように感じるところ」を見つけ出す。
・その他、関連する部位にハイボルトを当てて、検査を行う。
ハイボルト(ハイボルテージ)施術の費用はどれぐらい?
スマイルアンドサンキューの整骨院では下記の料金でハイボルト治療が受けられます。
・ハイボルト検査:1,100円
・ハイボルト1回:3,300円
・ハイボルト5回券:14,300円(1回あたり2,860円)
※いずれも保険適用外の自費治療となります。
まとめ
ハイボルト(ハイボルテージ)施術は高電圧を用いることで深部への刺激を可能とし、神経の興奮を抑えます。そのため早期に痛みを緩和し、ケガの治癒促進を早めます。またギックリ腰や寝違え、神経痛やヘルニア、バネ指といった幅広い症状に適しているのも特徴で、アスリートのケアにも用いられています。痛みに悩んでいる方は、ぜひハイボルト(ハイボルテージ)施術を検討してみてはいかがでしょうか?
よくあるご質問
スマイルアンドサンキューの整骨院では、どのようなハイボルト(ハイボルテージ)施術をしてくれますか?
当院では、まず問診を行い、患者様のお悩みや治療のゴールを聞き取り、理学検査にてお身体の状態を隅々まで検査します。例えば腰痛の場合、筋肉が悪いのか、関節が悪いのかなどの原因を探します。その後、ハイボルト検査を行い、どの筋肉や神経に負担がかかっているのかを特定。検査の結果を踏まえて、患者様の治療計画を立てます。また、ハイボルトによる疼痛緩和や可動域改善は、5回続けて行うことを推奨しています。痛みは脳が覚えており、痛みが再発しないうちに次のハイボルト治療を行う事で、早期回復が見込めるからです。
ハイボルト(ハイボルテージ)施術に痛みや副作用はありませんか?
重篤な副作用はありませんが、稀にだるくなってしまったり、痛みや痺れを感じたりすることがあります。これは好転反応と言われ、身体が正常な状態に戻るために起こる反応で、悪いものではありません。好転反応は一時的に起こるものですので、半日から一日でおさまってきます。
ハイボルト治療の時間は約15分ですが、治療頻度はなるべく間隔を空けずに治療することをお勧めします。神経の興奮や痛みは身体が覚えてしまうことが多いので、再発前に治療すれば、早期回復が見込めるためです。
ハイボルト(ハイボルテージ)施術を受けてはいけない人はいますか?
- 心臓ペースメーカーを使用している方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 骨折後の手術などで体内に金属が入っている方
上記の方はハイボルテージ療法をお控え下さい。また悪性腫瘍のある方、心臓病のある方、アトピー性皮膚炎などがある方は医師との相談が必要です。
記事協力(敬称略) 阿佐ヶ谷すまさん整骨院・鍼灸院 院長 今井厚 【所有資格】 鍼灸師
記事監修(敬称略)
本城久司
スマイルアンドサンキュー株式会社統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院泌尿器外科学客員講師
医学博士(京都府立医大)