ストレートネック の治し方・3つの押さえるべきポイントとは?
「年々、肩コリがつらくなってきた」「パソコンやスマホをよく使用する」「前傾姿勢での家事が多い」……そんなあなたは、すでにストレートネックかもしれません。特にスマートフォンを使うことが増えた現代は、ストレートネックの増加が目立ち、首や肩の不調に悩む人が多くなっています。ストレートネックは、そのままにしておくと肩こりだけでなく、手のしびれや痛み、睡眠障害や自律神経の調節障害などさまざまな病気につながる可能性があります。ストレートネックが重症化する前に原因と治療法予防法を知り、対処の仕方や治し方を学んでおきましょう。今回は代田橋北口整骨院 戸井真郷院長にストレートネックについて詳しく解説いただきました。
記事協力(敬称略) 代田橋北口整骨院 院長 戸井真郷 【所有資格】 柔道整復師 AT(アスレティックトレーナー) CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
ストレートネック とは?
ストレートネックとは、本来は前方へゆるやかにカーブしている首(頚椎)が真っ直ぐになった状態を言います。原因は下向きの姿勢が増えて、頭を支える首の負担が大きくなり、筋力が低下するためです。
首が支える頭の重さは約6キロ!
成人の頭の重さは、一般的に約5〜6㎏(体重の約10%)あるといわれています。もし6kgなら2mLのペットボトル3本分と同じ重さということ。首は思った以上の重みを支えているのです。そもそも首は7つの骨(頚椎)で構成されています。正常な状態では軽く前方に弯曲し、この弯曲が頭の重さを分散しているのです。ところがストレートネックになると、頭の重さは分散されなくなります。そうすると首の後ろ側の筋肉だけでは頭を支えきれなくなり、首の側面や前方の筋肉も使って支えることになるのです。この耳の後ろから鎖骨の内側にかけてつながる太い筋肉を「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」と呼びます。
胸鎖乳突筋に負担がかかると、首の動きが悪くなるだけでなく、副交感神経の働きが悪くなるためリラックスしにくくなることがあります。これは自律神経機能にまで影響を及ぼす可能性があるということです。
健康な首とストレートネック の違い
健康な首は見た目は首が真っ直ぐ上に伸びていますが、骨(頚椎)はゆるやかに前へカーブしています。この首の骨のカーブは自然に保たれ、頭の重さなどを分散することができて、頭を支えるだけの筋力もあります。一方、ストレートネックは、首が斜め前に突き出して見えます。内部の骨は、ゆるやかな前へのカーブが失われ、斜め前に向かって真っ直ぐに伸びているのが特徴です。
首が不自然に前に突き出すと、その負担によって筋力は低下します。このため首の頚椎のゆるやかなカーブをますます保つことができなくなるのです。頚椎のカーブが失われると頭の重みも分散できなくなります。そうなると特定の頚椎に圧力が集中して骨の変形が起こったり、クッション機能を持つ椎間板が潰れたりするというリスクが高まるのです。
ストレートネック と猫背はセットになっている!?
ストレートネックは首だけを改善すればよいというものではありません。なぜなら、首(頚椎)=脊柱(せきちゅう)の一部だからです。
脊柱とは首から腰にかけてつながる頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨1個の25個の椎骨からなる骨のことです。もし、首(頚椎)になんらかの変化が起きれば、その他の脊椎にも影響が出るでしょう。つまり、ストレートネックになると、ほぼ同時に猫背や骨盤の歪みなども出る可能性が高いのです。実際、ストレートネックの多くは、良くない座り姿勢で猫背になり、次にストレートネックになるという順番で発生します。
最近は特に、新型コロナウイルスで在宅勤務が増えましたが、まだ整っていない労働環境で長時間働く人は少なくありません。十分に整備されていない自宅でのデスクワークで、良くない座り姿勢を長時間続けてしまうことはストレートネックの原因になります。このことからもストレートネック は、首だけを改善すれば良いものではないことがわかります。
ストレートネックが原因となる、深刻な病気とは?
ストレートネックの症状は、首の痛みや動かしづらさだけではありません。症状が長く続いたり、悪化したりすると、さらなる不調の原因になる可能性があります。
- 筋肉疲労による重さ・だるさ・痛み
ストレートネックになると、体重の約10%の重みが首のまわりに集中します。その結果、筋肉が疲労して首や肩、背中の重さ、だるさ、痛みが引き起こされます。 - 首コリや肩コリの悪化
ストレートネック は不自然な首の傾斜と骨の形によって、首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。その結果、首や肩のコリも強くなるのです。そのままにしておくと、咳やくしゃみなど、ちょっとした刺激でも背中や腕、手にまで痛みが出ることもあります。 - 手の痛みやしびれ、手の筋力低下
ストレートネックになると、頚椎と頚椎の間で衝撃吸収の役割を持つ「椎間板」に持続的に負担がかかるようになります。その結果、椎間板が押しつぶされて頚椎椎間板ヘルニアとなり、押しつぶされた椎間板の組織が手指の感覚や運動を支配する神経を圧迫することにより手のしびれや手の筋力低下といった症状をきたします。その他、頚椎の変形(変形性頚椎症)によっても同じような症状がみられ日常生活に支障をきたし、治りづらい症状が出現することもあります。 - ストレートネックが原因の意外な症状
頭痛、吐き気、めまい、イライラ、不眠など首の上部に負担がかかると、緊張性の頭痛や吐き気、めまいなどが出ることがあります。また、首に集中する自律神経の機能が低下して、イライラや不眠などの原因になることもあります。
ストレートネックの主な3つの原因
ストレートネックの原因は猫背や前傾姿勢でした。ここではさらに掘り下げて、日常生活によくある具体的な3つの原因を説明します。
ストレートネック の主な原因その1.「スマホ」
スマホは通常、顔よりも低い位置で使うため、自然と下向きの姿勢になります。これは頭が重心よりも前方に位置することになるので、首への負担が大きくなりますよね。たとえば、下を向く角度が0度なら4~6㎏、15度では12㎏、30度は18㎏、45度は22㎏、60度なら27㎏の重さが首にかかります。27㎏がおおよそ電動自転車の重さに匹敵すると言えば、その負担がどのくらいのものなのか想像がつくでしょうか。
今やスマートフォンの国内普及率は約50%だとか。つまり2人に1人がスマホを持ち、10代~50代では60%超の人がスマホを利用していると言われています。1日の利用時間は、平均「約1時間50分」。最近ではメールや電話だけでなく、SNSやwebニュースなど、スマホならではのアプリケーションを使う時間が長いそうです。こういった便利な機能もあるため、朝の起床から通勤・通学、会社や学校、そして就寝時間まで活用できるため、スマホ利用時間は年々増える一方なのではないでしょうか。
しかし、便利になった反面、スマホの長時間の使用で肩こりや首のこり、腱鞘炎、眼精疲労、視力低下、ドライアイなどが増えているのも事実です。こういった症状の総称が『スマートフォン症候群』と呼ばれています。ちなみに、スマホによる身体の直接的な不調以外にもスマホがないと不安を感じる『スマホ依存症』も問題になっています。
次の3つのシーンは、特にスマホ首になりやすいため、良い姿勢を意識するといいでしょう。
- ソファに座ってスマホ
- 床に胡坐をかいてスマホ
- 膝を伸ばして椅子に座ってスマホ
「スマホ」による不良姿勢は首への負担が大きく、筋肉が支え切れなくなって首(頚椎)は本来の弯曲を失います。そして、ストレートネックが発症するのです。
ストレートネック の主な原因その2.「パソコン」
パソコンの長時間使用は、目や身体に負担がかかり、 ひどい場合には心も疲弊してしまうことがあります。これは 別名、VDT症候群と呼ばれています。(VDTは、Visual Display Terminals(ビジュアルディスプレイ端末)の略)
厚生労働省は、パソコンの連続した作業時間が60分を超えないようにして、作業と作業の間 は10~15分休止し、1~2回の休憩を挟むようにと指導するガイドラインを設けています。VDT(パソコンやスマホ、タブレット)作業では、座ったまま同じ動作を繰り返す作業 が多く、同じ座位姿勢を保ち続けるため筋肉が一定の状態を保持しなければなりません。そのため特定の筋肉が長時間の緊張を強いられ、筋疲労や痛みの原因になります。
これが腰痛、肩や首コリや痛み、腱鞘炎、頸肩腕症候群、頭痛などさまざまな症状として現れるのです。座った状態で同じ動作を繰り返すパソコン作業は、首が下向きか見上げる姿勢のどちらかを続ける人が多くいます。不自然な首の角度を長時間続けると、首本来の弯曲が崩れ、首が前方向へ突き出したままになったり、逆に反り過ぎてしまうため、ストレートネックなど、首のトラブルにつながります。
ストレートネック の主な原因その3.「枕」
高過ぎる枕もストレートネックの原因になります。高過ぎる枕で寝ると、頭を固定したまま身体を首が支えることになります。日中は頭を支え、夜は高い枕を使って身体を支えることになると、1日24時間ずっと首の筋肉に負担がかかるということになります。
筋肉は中途半端に引っ張られ続けると、こむら返りを起こしたような状態になり、短く、太くなります。特に「胸鎖乳突筋」が緊張すると、頭が身体よりも前方へ位置した状態になり、ストレートネックになるのです。
あなたは大丈夫? ストレートネック ・セルフチェック
ストレートネックを確かめる簡単なセルフチェック法があります。少しでも気になるならチェックしてみましょう。
【ストレートネック ・セルフチェック法】
- 壁に背を向けて立つ
- 「かかと」「お尻」「肩甲骨」の順番で壁にくっつけ、アゴを引く
【チェックポイント】
①特に意識しなくても後頭部が壁につく
②後頭部が少し離れているが、少し意識すれば壁につく
③後頭部が離れているが、頑張って意識すれば壁につく
④後頭部が壁から離れていて、頑張っても壁につかない
①の方は、正常です。
②の方は、ストレートネック予備軍です。
③の方は、軽度のストレートネックです。
④の方は、重度のストレートネックです。
女性にありがちなチェックポイントとは?
女性にありがちなストレートネック のチェックポイントは次の4つです。
①なで肩
②手や指先が冷える
③呼吸が浅い(息切れしやすい)
④仰向けの状態から腹筋で起き上がりづらい、起き上がれない
①は、女性が男性よりも筋肉量が比較的少なく、肩甲骨の重さを支えられず、なで肩になる方が多いということです。筋肉量が少ないと首を支える力も弱まるため、ストレートネック のリスクも上がります。
②は、なで肩になると首や鎖骨、脇周辺の神経や血管を圧迫しやすく、手や指先が冷えることがあるということ。手や指先が冷えやすい人は、強いなで肩の可能性が高く、ストレートネック になりやすい傾向があるのです。
③は、腹筋や背筋の筋肉量が少ないと、呼吸筋の働きが弱くなり、息切れしやすくなるからです。これも筋肉量が少なく、ストレートネック のリスクが上がります。
④は、仰向けの体勢から腹筋を使って起き上がる動作が大変な方は、筋肉量が少ないか、減少している可能性があり、首を支える筋肉も不足傾向にあるということですね。
以上の4つのポイントに一つでも当てはまる方は、猫背や前傾姿勢になっている可能性が高いでしょう。もしかするとストレートネックになっているかもしれません。
ストレートネックの治し方「簡単セルフストレッチ」
もし、ストレートネックになっていた場合は、早く治すことが大切です。
放置したまま年齢を重ねれば、筋肉量は低下し、今日支えられた頭を明日は支えられないということさえあるのです。よりラクに治すコツは、症状が大きく出る前にケアすること。生活の質を保つためにも今気づいた方はチャンスです。
次に自宅でできる簡単なセルフストレッチを紹介します。
アゴ引き体操
- 頭を極力前に突き出し、水平にスライドさせるように後ろに引く
※体の位置は動かさずに、頭と背筋を真っ直ぐにする。 - 椅子に座り、背筋を伸ばして座ります。この際、骨盤が後ろに倒れ、背中が丸まらないように注意しましょう。腕の力は抜いて、自然におろしておきましょう。
- この状態で、まず顔を前に出すように顎を突き出します。ポイントは動かすのは頸だけ!水平に動かす事を意識してください。
- そこから、水平に後ろに引いて元のまっすぐの位置に戻します。
- この動作を、10セット程行います。
首のストレッチ
- 背筋を伸ばして、アゴを引き正しい姿勢を意識する。
- 首をゆっくりと左右に傾ける
※この時、頭の重さを利用してゆっくりと傾ける。戻すときもゆっくりと行う。
※目線は、正面でアゴを引きながら行う。 - 次に、目線を水平にしたまま、左右へ首を回す。
※この時、肩から下の胴体は正面を向いたまま、首を傾けないで真っ直ぐにして行う。
- 椅子に座った状態で行います。まずは左の頸からストレッチを行います。
- まず、背筋を伸ばした状態で肩の力を抜き、手を下ろします。左手の掌を上に向けて左のお尻で手を踏み固定させます。
- そのまま、頸を右に倒し左の首をストレッチします。この時、頭の重さを利用して、ゆっくりと伸ばして行きます。10秒ほどストレッチをしたら、ゆっくり戻します。反対の手で左耳の上のあたりを押さえ、手の重さをかけてあげると、少し強めに伸ばすことが出来ます。
- 右の首を伸ばす際は、右手をお尻で固定し、左手で行います。
- 左右2回づつやってみましょう。
フェイスタオルストレッチ
- 両手でタオルの端を持ち、首の後ろに当てる。
- 頭を後ろに軽く倒しつつ、両手で斜め上に引っ張る。
※この時、両手でタオルを強く引っ張ったまま、頭を後ろに倒すイメージで行う。 - その状態のまま、ゆっくりとあごを引いて、アゴをのどに引き付けたところで5秒間キープ
- それぞれ、痛みの出ない範囲で、5~10回繰り返す。
- 椅子に座り、背筋を伸ばして準備をします。
- 両手でタオルの端をもち、タオルの真ん中を首の後ろに当てます。
- 両手でタオルを斜め上(45度くらい)に引っ張るようにし、それに抵抗するように頭を後ろに倒して行きます。まっすぐ見た目線が、45度くらいになるといいです。
- その状態で、顎を軽く引き5秒キープさせます。痛みが出ない範囲で行い、この動作を5~10回くりかえし行います。
ストレートネック予防の「押さえるべきポイント」
ストレートネックは改善後も予防をすることが大切です。猫背や前傾姿勢での生活習慣を見直して、正しい姿勢で作業できるように工夫したり、環境を整えましょう。
ここでは、ストレートネック の原因別に押さえるべき予防ポイントを紹介します。
「スマホ」の 予防ポイント
(それでもどうしても携帯を使用する際は)スマホは携帯本体を顔と同じ高さで見て、下向きの姿勢を減らすのがコツです。
スマホを使用するときは、操作する手の脇に反対の手を入れましょう。(携帯を持っている手の反対の手を脇の下に入れたり、肘を抱えるようにし、携帯が下がらないようにしてみましょう。)
それだけで、携帯本体が顔の高さに来ると思います。操作する腕も疲れにくいので、姿勢維持もしやすくなります。
「パソコン」の押さえるべき 予防ポイント
パソコンはモニターのイチがポイントになります。一般的に、目線がやや下になるようにモニターを置くと身体への負担が少ないと言われています。モニターの位置が高過ぎると目が疲れやすくなり、低過ぎるとストレートネックになりやすくなります。モニター高さ調節は、デスクトップなら「モニターアーム」や「昇降デスク」、ノートパソコンなら「ノートパソコンスタンド」がおすすめです。
常にストレートネック にならないように姿勢を意識するのは、作業に集中すると難しいものです。しかし、環境を整えることで予防できる部分もありますから工夫してみましょう。
「枕」の押さえるべき予防ポイント
枕選びのポイントは、首の後ろにスキマができない高さです。首が枕やベッドに接して支えられている状態がベスト。
枕と首にすき間があると、首の筋肉に負担がかかり続けることになります。朝方になると首が痛くなる方は、枕の高さを見直したほうがいいでしょう。また、急激に枕の高さを変えると、余分な負担が首にかかることがあるため、数日かけて徐々にタオルなどで枕の高さを調整するのもコツです。
「家事」や「育児」の押さえるべき 予防ポイント
炊事、洗濯、掃除など家事は前かがみ姿勢の連続です。特にまだ子供が小さいママさんは、抱っこや授乳で前かがみと赤ちゃんの重さで二重苦に。首にかなりの負担がかかります。女性は男性よりも比較的に筋肉量が少ないので、家事や育児で前かがみが続くとストレートネックになりやすい傾向があります。子供を抱いて椅子や床に座るときは、猫背にならないように背もたれに寄りかかるといいでしょう。背中と背もたれにすき間ができないようにクッションを挟むといいですよ。
また、そのほかの家事でも、たとえば洗濯機から洗濯物を取り出したり、床にかがむなど前傾姿勢になるときは、足を前後に開いて立ちます。できるだけ前に傾く角度が深くならないようにするのが首などに負担をかけないコツです。
重症症状の改善や再発防止には整骨院へ!
ストレートネックのセルフチェックで少しでもストレートネックの可能性がある方は自己判断だけでケアをするよりも、一度、整骨院など医療機関に相談しましょう。
次の症状が一つでも当てはまる場合は要注意です。
- 首や背中への痛みやしびれ感がある
- 安静時も痛身がある
- 痛みで夜起きてしまうことがある
- うがいや目薬を指す動作で、首などに痛みや辛さを感じる
- 同じ姿勢が続くと首や背中が痛む
- 睡眠障害がある
- 頭痛がひどい
- 胃腸に問題を感じないのに吐き気がある
以上いずれかの症状が出た場合は、放置してはいけません。早めに整骨院で治療を受けましょう。
また、以前、首の症状があった方や、先述したセルフストレッチをはじめ、生活動作や生活環境の工夫が難しい場合も整骨院で相談することがおすすめです。
整骨院でのストレートネック施術内容
『スマイルアンドサンキュー』の整骨院では、ストレートネックの治療を次のように行っています。
- 痛みやしびれが出て生活に支障があるケースでは、電気治療機器を用いたハイボルト療法を使用します。
- 痛みが和らぎ、生活への支障がなくなった段階で骨盤矯正をします。
骨盤矯正は、股関節やひざなど脚の関節から腰や背中の筋肉の強張りをほぐして猫背や前傾姿勢を改善します。 - 首の可動域を改善し、猫背や前傾姿勢の予防を強化するため、インナーマッスルを鍛える治療や管理を行います。
鍼灸院でのストレートネック施術内容
『スマイルアンドサンキュー』の鍼灸院では、首の治療として筋肉やツボに鍼を打ちます。
- 首の治療は、肩こり筋と呼ばれる僧帽筋(そうぼうきん)や肩甲骨内側あたりの肩甲挙筋(けんこうきょきん)、首と頭の境目の深層に小さな筋肉が集まる後頭下筋群(こうとうかきんぐん)を刺激します。
鍼治療は首の筋肉の緊張を軽減したり、首の後ろ側の痛みの改善や筋力アップを促します。また、自律神経の調節作用やリラックス効果も期待されるなど、多角的なアプローチでストレートネックの再発防止の効果が期待されます。
ストレートネックの治し方 まとめ
ストレートネックとは、筋力低下や首に負担をかける良くない姿勢などで、本来の首のカーブが失われ、首のほねが真っ直ぐになる症状です。人間の頭の重さは、成人で一般的に体重の8%~10%程度、約4~6㎏あると言われています。これは2mLのペットボトル2~3本分と同じ重さで、首には思った以上の重さがかかっているということでした。
- ストレートネック になる3つの主な原因
- スマホの長時間使用
- パソコンの長時間使用
- 高過ぎる枕
ストレートネック を治す方法は、セルフストレッチ(アゴ引き体操、首のストレッチ、フェイスタオルストレッチ)や首のケアだけではなく、骨盤や猫背も治す治療を行うこと。
ストレートネック の予防ポイント
- 「スマホ」は顔の高さで見て、操作しない方の手を反対の脇に挟むこと
- 「パソコン」はモニターアームやノートパソコンスタンド、昇降デスクなどを使って、目線よりやや低い位置にモニターが来るように調節すること
- 「高過ぎる枕」は使わないこと。ベッドや枕、首や背中の間にすき間ができないようにタオルを挟んで調整しましょう。枕の高さ調節は何日かかけて徐々に行うのが首に負担をかけないコツです。
ストレートネック が悪化すると併発する可能性がある深刻な病気があリます。
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 頸部脊柱管狭窄症
- 変形性頚椎症
- 頚椎癒合症
- OPLL(後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこつかしょう))
- 頚椎分離症
- 分離すべり症
- 精神疾患など
ストレートネックの可能性があり、首や背中への痛みやしびれ感、安静時痛、夜起きてしまう痛み、うがいや目薬を指す動作で、首などに痛みや辛さを感じる場合は、放置しないようにしましょう。
早めに整骨院で治療を受けることをおすすめします。
よくある質問
普段は痛みを感じませんが、首を横に曲げると強い痛みがあります。これはストレートネックでしょうか?
ストレートネックの可能性があります。また、原因としては、首の問題だけではなく、骨盤や背骨の歪みが影響している可能性があるため、整骨院で診てもらうことをおすすめします。
ストレートネックはレントゲンなどで診断されるのでしょうか?診断のポイントはなんですか?
整形外科を受診されレントゲンを撮影すると、正常な首は、7つの頚椎全体で35度~45度の角度に位置していますが、レントゲン画像から角度を診て35度~45度の範囲内に収まっていない場合にはストレートネックと診断される可能性があります。
記事協力(敬称略)
代田橋北口整骨院
院長 戸井真郷
【所有資格】
柔道整復師
AT(アスレティックトレーナー)
CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
記事監修(敬称略)
本城久司
スマイルアンドサンキュー株式会社 統合医療教育研究センター長
京都府立医科大学大学院 泌尿器外科学 客員講師
医学博士(京都府立医大)